2020年7月から日本ではプラスチックバッグが有料化された。プラスチックの削減は、今世界共通で取り組むべき課題であるが、なかなか難しいのが現状である。買い物後のエコバッグの中は、プラスチックで包まれた多くの商品で溢れているからだ。野菜やパスタ、シリアルなどの食品からシャンプーや洗剤などの日用品まで、スーパーマーケットに並ぶ多くの商品はプラスチック包装で販売されている。
そんな中、リジェネラティブな企業を目指す英大手スーパーマーケット・ASDA(アズダ)が2020年10月20日、本社のある英国北部リーズ市に新しいコンセプトの「サステナビリティトライアルストア」を開店した。以前IDEAS FOR GOODでも取り上げた通り、15台の大型詰め替えステーションが設置された店内には、食品はもちろん、洗濯洗剤などの日用品まで30種類以上の商品が詰め替え形式で販売されている。53種類の果物や野菜、植物や花がプラスチック包装なし、もしくは紙包装のみで販売されるほか、缶詰の外側プラスチック包装も除去されるなど、できるだけ最小限の包装で商品が提供される。
さらに、詰め替えコーナーだけでなく、店内にはポテトチップスやビスケットの包装、プラスチック玩具や化粧品容器、歯磨き粉チューブといったリサイクルが難しいアイテムや、缶やプラスチック、ガラスの飲料ボトル回収機とハンガーのリサイクル施設が設置されているほか、サステナブルファッションの売り場も充実。リサイクルポリエステルで作られた衣類などを展開するアズダのアパレルブランド「ジョージ」や、有名ブランド古着を販売する「Pre-Loved」の商品の販売のほか、顧客が不要な衣類と骨董品を寄付できる、慈善団体と提携したコミュニティゾーン(3カ月間のトライアル)も併設されている。
上記のような販売方法により、ASDAはプラスチック包装を年間で100万個節約できると見積もっており、今回のトライアルストアでの顧客と従業員の反応次第では、2021年以降、より多くの場所で展開していく予定だ。また顧客のサステナブルな買い物を奨励すべく、全国価格を決定する際には、包装なしの製品のほうが、包装された同等品よりも高価でないことを保証する「Greener at Asda Price」も開始した。
2040年までのCO2排出量ゼロ、廃棄物の削減率50%に向けて取り組む同社は、2050年までにリジェネラティブな企業になることを発表している。2023年までに40以上の詰め替え可能な製品の導入や、2030年までに廃棄物管理会社とリサイクル業者、および製品開発者と密に協力していくことを宣言しているほか、2025年までに自社ブランド製品から30億個のプラスチックを除去するという追加の取り組み目標を設定している。
商品を環境に配慮した方法で手頃な価格で大規模販売する試みを、英国大手のスーパーであるASDAが始めたことは大きな意義がある。新コンセプトの店舗で買い物をする際には、自宅から容器を持っていくなど少々手間もかかるが、包装されたモノより高価にならないような価格設定で提供されるなど、顧客が試しやすい選択肢になっている。販売者だけでなく消費者である私たちも、責任を持って買い物するように心掛けたい。
【参照サイト】Asda Opens New Sustainability Store
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(※画像はAsdaより引用)
Edited by Tomoko Ito
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November 17, 2020 at 08:18AM
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