Pages

Friday, January 31, 2020

ごみ分別緩め、回収率増へ 一部地域で新年度社会実験 - 中日新聞

写真

資源ごみとして集められた紙製容器包装を選別する施設。製紙原料や固形燃料として再利用される=港区で

写真

 名古屋市内で資源ごみとして別々に回収されている、菓子容器などの「紙製容器包装」とメモ用紙やはがきなどの「雑がみ」を一括して収集する社会実験が、新年度に一部地域で実施される。市は新年度予算案に関連事業費を計上する。分別区分を緩くすることで回収率を高める狙いがあり、結果に応じて市は全市に広げることも検討する。

 市内のある環境事業所で一月下旬、赤字で「可燃ごみ袋」と記された透明の袋を、市職員が開いた。化粧品の空き箱やポテトチップスの筒状の空き容器など、本来は可燃ごみとは別に分別しなければならない紙製容器包装がごっそりと入っていた。

 紙製容器包装のほか、ペットボトルやプラスチック容器など別の資源ごみを取り除くと、使用済みのティッシュや残飯など、本来の可燃ごみはわずかしか残らなかった。職員は「燃えるから構わないだろうと、資源ごみを可燃ごみに入れている。環境を守ろうという意識がないんでしょうか」とため息をついた。

 「紙」マークがついた紙製容器包装は、市が資源ごみとして週一度収集する。雑がみは、子ども会や町内会などによる月一度の集団資源回収の対象。ともに再生紙の原料としてリサイクルされ、全国的には「古紙」という一つの分類で収集する自治体も少なくない。

 名古屋市は一九九九年の「ごみ非常事態宣言」を受け、ごみ分別の仕組みを見直し。以来、紙製容器包装と雑がみを分けて収集してきた。二〇〇二年度は紙製容器包装の分別率は70%と高かったが、一八年度は22%まで低下。雑がみも現在は10%ほどに低迷している。

 分別が進まない理由について市民に聞いたところ、「まとまった量が出ない」ことを挙げる人が五割を超えた。このため市は、二つの資源ごみを一括回収することが回収率の向上に効果的と判断した。

 実験は、複数の地域を選んで年度内に一定期間実施する。雑がみを集団資源回収の対象から外し、紙製容器包装と同じ分類にする。実施地域の一部では、カップ麺容器など防災加工されてリサイクルできない紙製容器包装を、可燃ごみとして出してもらう。

 一八年度の可燃ごみの量は六十一万トン。これに対し、焼却可能量は工場の更新に伴い七十九万トンから六十九万トンに低下するため、市は危機感を強めている。担当者は「大量生産、大量廃棄の輪を断ち切るためには循環させることが必要。資源ごみを燃やしてしまったらもったいない。ぜひ分別に協力してもらいたい」と訴えている。

 (中山梓)

(上)2袋分の可燃ごみの中身。菓子の箱やティッシュ箱などの資源が多く混入していた(下)紙製容器包装などの資源を除いた可燃ごみの中身。わずかな生ごみや紙くずしか残らなかった=名古屋市港区で

写真

この記事を印刷する

Let's block ads! (Why?)



"包装" - Google ニュース
February 01, 2020 at 03:06AM
https://ift.tt/2GGIz3h

ごみ分別緩め、回収率増へ 一部地域で新年度社会実験 - 中日新聞
"包装" - Google ニュース
https://ift.tt/2uutjnr
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment