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Sunday, September 6, 2020

神奈川・木造2階ボロ倉庫…処分のために70歳が負った借金額 | 富裕層向け資産防衛メディア - 幻冬舎ゴールドオンライン

神奈川・木造2階ボロ倉庫…処分のために70歳が負った借金額

本記事は株式会社財産ドック著『税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

木造2階建ての建物…売却益を回避したい資産家の選択

【ケース9】Iさん・70歳

Iさんは東京都内に、本業のための倉庫として利用していた木造2階建ての建物とその敷地を持っていました。倉庫はかなり以前に建てられたもので、床が抜けるほど老朽化していました。そこでIさんは倉庫を取り壊し、土地を売却した代金で神奈川県内に賃貸不動産を買うことにしました。

ただ、都内の土地の値段が高いので別の物件を買うにしても、かなり売却益が出てしまいます。売却益には20%強の課税がなされます。それを恐れたIさんは、「事業用資産の買換え特例」を使えないかと、顧問税理士に相談しました。

(※写真はイメージです/PIXTA)

(※写真はイメージです/PIXTA)

事業用資産の買換え特例とは、事業用に使っていた不動産(例えば、駐車場用地、アパート敷地、工場用地、店舗用地など)を、同じく事業に使うための不動産に買い換えた場合に、一定の要件を満たすことで適用できる特例です。

例えば、売却した資産と同額以上の資産を購入したとすると、この特例を適用することで課税される売却益が本来の2割になります。これを専門用語で「8割買い換え」と言います。実際の課税は、資産を売却するまで繰り延べられます。つまり、買い換えた不動産を永遠に売却しなければ、課税も永遠にされないということです。効率の悪い不動産を売却し、効率の良い不動産に買い換えて、資産の良化を図るときに使いたい特例です。

Iさんのケースでは、倉庫が立っていたもともとの土地も、買い換える予定の賃貸不動産も、両方とも事業用なので、この点では特例の要件を満たします。しかし、顧問税理士は「他の要件で満たしていないものがあるので使えない」という返答でした。専門家である税理士が言っているのだから間違いはないだろうとIさんは思いましたが、念のためにと確認に来られました。

問題点:事業用資産の買換え特例を知らない税理士

事業用資産の買換え特例を適用する場合の要件にはいくつかありますが、簡単にまとめると、「売却する資産と買い換える資産がともに国内にあること。そして、売却する資産は取得してから10年超が経過していること。買い換える不動産が土地の場合は、面積が300㎡以上であること」となります。

倉庫が立っていた土地はもともと借地としてIさんが借りていたものでしたが、8年前に底地を持っていた地主が亡くなり、相続が発生したときにIさんが買い取りました。つまり、Iさんが購入してからまだ8年しか経過していないので、要件から外れると顧問税理士は判断したのです。

しかしながら、この判断は正しくありません。実は、ずっと以前からIさんが借りていた借地部分については、10年を超えているものと見て特例が適用できるのです。8年前に新たに取得した底地部分に対しては適用できません。この土地では借地権が8割、底地が2割だったので、全体の8割に対して特例が適用できました。これによって、Iさんが支払う税金の額は大きく変わりました。

不動産の売却や取得に絡む税金の扱いは非常に複雑です。税理士は確かに税の専門家ですが、すべての税理士が正しく理解できているわけではありません。とりわけ決算や会計をメインで請け負っている顧問税理士などは、不動産を扱う機会がほとんどないため、誤った理解をしているケースがあります。依頼をするときは、肩書だけで信用するのではなく、そういう実務に精通した専門家を選ぶべきです。

解決策:売却よりも土地を活かすことを考えた

事業用資産の買換え特例を使って神奈川県内に賃貸不動産を買おうと思っていたIさんでしたが、結局狙っていた地域には望むような物件が見つかりませんでした。そこで、別の道を考えることになりました。引き続きアドバイスを続け、元の倉庫のあった土地での賃貸戸建てが最適と考え、提案しました。

なぜそのような案がベストと考えたかというと、倉庫のあった土地は最寄り駅から徒歩4分とアクセスが良く、しかも計画道路にまたがっていて将来的に買収される可能性が高い場所だったからです。こうした立地を考えたとき、全く別の場所に買い換えるよりも、ここでの活用を考えた方が得策に思われました。

Iさん自身は神奈川に気に入る物件がなかったら、ここを駐車場にして人に貸そうと考えていました。その意向も踏まえて、駐車場、コインパーキング、アパートやマンション(鉄骨)、賃貸戸建てなど、考えられるパターンをすべてシミュレーションしてみました。そうした中で賃貸戸建てが最も収支が良いという結果が出たため、自信を持って提案させていただいたのです。

Iさん本人にシミュレーション結果を見せたところ、「これはいい」ということになり、借入をして戸建ての賃貸を建てることになりました。Iさんには子が3人いるので、戸建てを3棟新築しました。1棟から月20万円の収入で、合計60万円が毎月入るようになりました。賃貸戸建てに関しては子どもたちも気に入っており、相続することにも乗り気です。

ちなみに、Iさんは70歳にして2000万円の借金をすることになりましたが、この点についての無理はしていません。Iさんのもともとの財務状況が悪くなく、また、賃貸戸建てからの家賃収入も確実に見込めているからです。

一般的なアパートやマンションでは、部屋同士が密着しているため隣人とのトラブルが起きやすいですが、戸建ては隣家との間にスペースがあります。そのため比較的トラブルが起きにくく、入居が定着しやすいという面があるのです。

不動産活用の考え方として、資産の組み替えは基本的には積極的に考えていっていいものなのですが、時と場合によっては必ずしも正解にならないことがあります。特にIさんのように元の土地が条件の良いものならば、むしろ手放さずに活かすことを選んでいくべきでしょう。

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September 07, 2020 at 03:06AM
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